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【レポート】第27回ニフクラエンジニアミートアップ『MySQL徹底入門 進化した8.0を実戦活用する!』

こんにちは。 ニフクラエンジニアミートアップ事務局の鮫島です。

2020年7月29日(水)に第27回ニフクラエンジニアミートアップを開催しました。 もちろん、ZoomミーティングをYouTube Liveにも配信するオンライン開催です。

今回は、『MySQL徹底入門 進化した8.0を実戦活用する!』 というMySQLの解説書第4版の発売を記念して、同書籍の執筆陣の皆様にお越しいただき、この書籍にまつわるさまざまなお話(裏話・苦労話)をうかがうという趣旨のイベントでした。
第3版から実に9年ぶりの改訂で、MySQLユーザー待望の書籍の執筆陣が集合するということで、120名を超える多くの皆様がお越しくださいました。

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司会進行の坂井氏と「MySQL徹底入門進化した8.0を実戦活用する!」のタイトル

いつもなら、モデレーター(今回は途中で坂井氏にバトンタッチ)の宮原氏による乾杯からスタートするところですが、今回の陰の仕掛人といえるとみたまさひろ氏が乾杯の発声を行いました。

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とみたまさひろ氏による乾杯の発声

さっそく、司会進行を務める坂井恵氏にバトンタッチして、各執筆者が第4版に関する「こだわりポイント」「苦労した点」「心残り」などを語る本編に入りました。

それぞれの内容は、完全収録版としてYouTubeで動画が公開されています。

www.youtube.com

約1時間40分という長い動画ですので、執筆者毎に登場タイミングの時間を記載しました。

執筆者が語る第4版への思い

坂井恵氏(12:30〜00:00)

全体の取りまとめを担当した坂井氏からは、まず今回の第4版が制作されることになった経緯(れきし)が語られました。

第4版の構成に重要な示唆をもたらしたyoku0825氏の「MySQL辞典みたいなのをやりたい」という発言、そして途中でコロナ騒動が起きるというハプニングも乗り越えて2年越しの発売にこぎつけた喜びが伝わってくる内容です。 担当章であるこだわりの14章の「楽しさ」は、読者に向けたものでありつつ、共同作業でモノを作り上げるときに生じる「苦しいけど楽しい」感覚だったのではないでしょうか。

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読みたかった幻の原稿について

「この本で心残りだったこと2題」というスライドに改めて登場したyoku0825氏は、各執筆者からの言及の多さから「第4版」のキーマンのようです。

とみたまさひろ氏(20:11〜25:36)

続いて、日本MySQLユーザー会の文字化け担当こと、とみたまさひろ氏です。自身のパートの見どころはユーザー管理の「認証プラグイン auth_socket」や「パスワード管理」といいながらも、半分近くの時間を文字コードに関する小ネタに費やしていたのが自他ともに認める「文字化け担当」たる所以だろうと思いました。そして、その他のおすすめとしてやはりyoku0825氏の担当パートが紹介されました(ますます気になる)。

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嬉々として文字コードについて語るとみた氏

鶴長鎮一氏(25:44〜31:00)

鶴長氏は、MySQL徹底入門の初版から執筆を担当していたそうですが、さまざまな技術系書籍の執筆を会社公認の副業としておこなっている働き方改革のお手本のような方です。「MySQL徹底入門と私」ということで、担当された2章「インストール」と10章「データベースプログラミング」それぞれのサマリーを語ってくださいました。

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鶴長氏の担当サマリー

班石悦夫氏(31:06〜35:22)

2001年の初版から執筆に加わっている大ベテランの斑石氏が、20世紀末に業務でMySQLを使い始めたきっかけは「速くて無料」だったからだそうです。 当時、できたばかりだったというMySQLユーザー会に出版社から持ち込まれた「MySQL徹底入門」出版(初版)の話に、執筆者として立候補したエピソードを語ってくださいました。

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スライド無し!朴訥な語り口で初版からの歴史を語る班石氏

yoku0825氏 (35:26〜46:05)

ここから第4版から執筆に参加したメンバー3名が続きます。MySQLの尻に敷かれる毎日を送っているという同氏、第3版をユーザーとして読んでいたそうです。

第4版は第6章、第8章、10章、14章を担当しており、特に6章は「俺のとなりに新卒が配属されたらこれくらいは座学で教える」ような想定で書いたとのこと。このフレーズは繰り返し使われていましたが、独特の切れのいい語り口から「キャラの強さ」を感じさせました。

他の執筆者からの言及の多さから察するに、4版を読み応えのあるものにした執筆者の一人であるのは間違いないでしょう。
※実際、1/3ほどの執筆ボリュームだったそうです。

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yoku0825氏の強いコメント

深町日出海氏(46:39〜49:40)

深町氏は担当した13章の中でサードパーティ製のツール「innotop」「DBdeployer」「Percona Toolkit」という3つを「日頃の業務を助けてくれるツールたち」ということでご自身がどんな使い方をしているか簡潔に話してくださいました。

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白いシンプルな部屋がアーティスティックだと評判でした

山﨑由章氏(49:56〜00:00)

山﨑氏は、坂井氏とともに(とみた氏も)第22回「MySQL超入門!進化する8.0を中の人が語る」に「中の人」として参加されました。

同氏の担当章は第4章、第12章、第13章、そしていくつかの章でMySQL Enterprise Editionに関連するコラムを執筆しています。 それぞれの章に関するトピックが語られましたが、印象に残ったのが「第4章の全文検索を書きすぎた」というお話。36Pを24Pにまとめ直したとのことで、書きたいことと共同執筆書籍としてのバランスをとるのは難しいのだろうな…と感じました。

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36Pを24Pに集約する苦労はやったことがある人にしかわからないはず

編集担当者石川氏のコメント(57:38~1:04:09)

第2版からの編集担当者であり、今回初めて奥付にクレジットを入れるのを了承したという石川氏からもコメントが寄せられました。 編集者視点では、かなりの内容の変化の割にページ数が増えていないのは中身が工夫されていたからこそ…との感想だったようです。 淡々と編集者としてやるべきことをやったといいつつ、執筆陣との強い信頼関係があってこその発言だと感じました。

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第4版の奥付に初めて入った石川氏のクレジット

トークセッション(1:05:12〜1:41:50)

最後に、著者+編集担当石川氏も参加でトークセッションが行われました。

坂井氏から、自分以外のパートで印象に残っている章や、手元に(物理)本が来た時にどう思ったか、執筆期間中に印象に残ったエピソードといったお題がだされ、今回、参加できなかった福山氏のパートについても独特のくだけた文体の面白さ、原稿を最終的に取りまとめるのにGitLabを使ったことに「これが技術者のやり方か!」という意外性から感動した話など、さまざまなネタで盛り上がりました。

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お互いのパートをここぞと称えあって盛り上がります

あらためて貼り付けますが、詳しくはこちらの動画もご覧ください。 www.youtube.com ※チャンネル登録もよろしくお願いします。

当イベント最多人数が登壇するということで長丁場も予想していましたが、坂井氏の絶妙な仕切りでほどよいバランスで執筆者の皆さんの良い話を引き出して盛り上げてくださいました。本当にありがとうございました。

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今回の司会進行役であり、書籍の進行管理役でもあった坂井氏

次回第28回は、8月27日(木)に開催します。 VMware vSphere 7を検討中の方、DaaSによるテレワークに興味がある方、とりあえずオンライン飲み会に参加したい方、ぜひお気軽にお越しください。

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