こんにちは。富士通クラウドテクノロジーズの鳥羽です。
クラウドに関する「リフト&シフト」という言葉をご存知でしょうか。
解釈はさまざまあるようですが、弊社では既存のシステムをクラウド化し、その後、運用管理のスタイルをより先進的なものへと変えていくプロセスのことを「リフト&シフト」と呼んでいます。
上記の図では「リフト&シフト」のロードマップの描き方を「5つのステップ」として表しています。 ステップ2-3がシステムを既存の設計のままクラウドへ移行する「リフト」の段階、ステップ4-5がクラウドならではの技術的な特長を生かして運用管理を行い、そのメリットを最大限に引き出す「シフト」となっています。 では、ざっくりと各ステップを説明します。
5ステップをざっくり解説
STEP1.オンプレミス環境の仮想化
既存オンプレミスサーバーを仮想化しよう!
ハードウェアとシステムのライフサイクルを分離し、クラウド移行しやすい環境にします。ほとんどの企業ではすでに仮想化による「システム統合」は完了している段階となります。
STEP2.クラウドの評価・体験
実運用環境のシステムをクラウドに移行してみよう!
影響が少ない仮想サーバーをクラウドに移行します。実際に利用している実運用環境のシステムを移行することで、実体験が得られ次のステップに向けて必要な課題やノウハウが明確にできます。
STEP3.クラウドの活用(ITコストの削減とクラウド利用の拡大)
システムを順次クラウドへ移行していこう!
ステップ2で得た知見をもとにクラウドへの移行効果が高そうなシステムからクラウドへ移行していきます。クラウドに移行するシステムは「移行に伴う停止時間が許容できる」「ハードやソフトの保守期限終了間近」などの基準で優先度を決め、移行を進めていきます。
STEP4.ビジネスの変化に対応できる迅速な運用基盤への変革
リフト&シフトの「シフト」段階!
クラウドへのリフトが完了したら、クラウドの機能を活用した運用効率化を検討します。新たなシステム構築や運用管理スキームを確立し、さらなるコスト削減や迅速化を図っていきます。「シフト」はハードウェアライフサイクルから脱却したことで起こる「パラダイムシフト=規範・価値観の変化」の意味でもあります。
STEP5.DXの実現を視野に入れたクラウドネイティブ化
システム基盤の最適化していこう!
ステップ5は、最初からクラウド上で構築・運用してくことを前提としたシステム設計をする段階です。これまでの経験・知見を活かして、クラウドをシステムの特性やサービス形態に応じて使い分け、クラウドネイティブ化を意識したシステム設計に変えていきます。また、同時にビジネスメリットを最大化していくために、マルチクラウドや一部システムのオンプレミス回帰など、最適な基盤を見直し・選択することも必要です。
まとめ
「2025年の崖」が話題となり、多くの企業がDXの推進に取り組み始めています。 レガシーシステムから脱却するためには各企業それぞれのロードマップを描き計画的に進めていくことが重要です。 5ステップを参考に、まずは可能な部分からクラウドに移行していくことを始めてみてはいかがでしょうか。 今回ご紹介した5ステップに関して詳細を知りたい方は、当社が提供しているeBook「ハイブリッドの作り方-「2025年の崖」を超えるためのITロードマップ」を無料でダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください。