こんにちは、ニフクラテクニカルアカウントチームです。
2019年12月11日にリリースされた新機能、プライベートブリッジは、異なるリージョン・ゾーン間のプライベートLAN同士を接続できる機能です。
今回は、東西リージョン間(east-11/wast-13)のTCP通信の帯域をフリーソフトのベンチマークツール(iperf)を使用して測定しました。
プライベートブリッジについて詳しくはプライベートLAN同士を接続する機能 プライベートブリッジ の提供を開始しましたのブログ記事もご覧ください。
前提条件
本ブログは、以下の前提知識がある方を想定しています。
ニフクラの基本的なコントロールパネルの操作、サービスを利用する知識
(サーバー作成、ネットワーク構築など)
検証概要
本検証では、east-11のサーバー(iperfクライアント)から、プライベートブリッジ経由でwest-13のサーバー(iperfサーバー)に対して、ベンチマークを実施します。
※本ブログではサーバーの構築手順は割愛させて頂きます。
利用リソース
本検証を実施するにあたり、利用したニフクラのリソース情報に関して以下に記載します。
※各リソースのアクセス制限に関しては、ニフクラのファイアウォール等を用いて適切に設定の上実施しています。
リソース | 数量 |
---|---|
仮想サーバー(サーバーOS:CentOS 7.7) | 4 |
プライベートLAN | 2 |
プライベートブリッジ | 1 |
リーチャビリティ | 1 |
コネクター | 2 |
測定内容
下記条件で測定しています。
①iperfクライアント2台から、iperfサーバー1台に向けてiperfを実施。
(測定結果はクライアント側のスループットを合算した値を記載)
②iperfサーバーのサーバータイプはtype-e/hの2種類。
③iperf測定時、スレッド数1,2で実施
※測定に使用したソフトウェア、サーバータイプ、コマンドは以下の通りです。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
iperf | 2.0.13 |
サーバータイプ | 備考 |
---|---|
e-wlarge32/wlarge32 | iperfサーバー |
large8 | iperfクライアント |
コマンド | 備考 |
---|---|
iperf –s | iperfサーバー側 |
iperf –c [iperfサーバーのプライベートIPアドレス] -i 1 | iperfクライアント側(スレッド1) |
iperf –c [iperfサーバーのプライベートIPアドレス] -i 1 -P 2 | iperfクライアント側(スレッド2) |
※ iperfオプション説明
[-s] … iperfサーバを起動
[-c] … iperfクライアントを起動
[-i] … 指定した秒ごとに結果を出力
[-P] … 指定したコネクションを同時に接続
測定結果
サーバータイプとスレッド数で比較しています。
結果は下記のグラフの通りです。
Type-eは1Gbits/secくらいで頭打ちとなり、スレッド数を増やしても変化はみられませんでしたが、必要十分な通信速度は測定できています。
Type-hにおいては4Gbits/sec以上を計測し、スレッド数を増やした場合は約8Gbits/secまで伸ばすことができました。
スレッド数を上げればまだ伸びそうな感じもしましたが、今回の測定はここまでとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はプライベートブリッジを使用した東西リージョン間のネットワーク通信速度を計測してみました。
特にType-hのサーバータイプを利用した場合の通信速度は目を見張るものがあります。
Type-eのサーバータイプを利用した場合でも十分な通信速度を確認できましたが、更なる通信速度を求める要件がある場合はType-hのサーバータイプ利用も是非検討いただければと思います。
注意事項
- 本計測は、あくまで計測時点での値であり、計測環境・計測時間によって異なる場合あります。参考程度に留めておいてください。
- ネットワーク通信速度についてはベストエフォートでの提供となります。