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ニフクラ/FJ Cloud-Vやクラウドの技術について、エンジニアが語るブログです。

【レポート】第19回ニフクラ エンジニア ミートアップ「バックアップ超入門 クラウド編」

こんにちは。 ニフクラエンジニアミートアップ事務局の鮫島です。

2019年8月26日に、第19回ニフクラエンジニアミートアップを開催しました。 今回は「バックアップ超入門 クラウド編」 というテーマでした。

fujitsufjct.connpass.com

多くの企業・組織においてビジネスにおける重要データの喪失は、業務の停止や顧客満足度の低下といった多大な損失を招く大きなリスクといえます。昨今、各地で地震も増加しており、BCP/DRの観点でもバックアップは重要性を増していますし、サイバー攻撃によるデータの喪失も問題になっています。
しかしながら、システムやデータのバックアップを実施するためには、多大なコストがかかります。 情シス部門の担当者は常に頭を悩ませている問題ではないでしょうか?

そこで、クラウドを利用して低コストかつ効率的にバックアップを行うための手順・方法論を改めて整理してみるというのが今回の趣旨で、企業から個人まで幅広く利用されているバックアップ・データプロテクトソリューションを提供するアクロニス・ジャパンの佐藤匡史氏にご登壇いただきました。

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アクロニスの佐藤氏のKeynoteに先立って日本仮想化技術の宮原徹氏による「今さら聞けない人のためのバックアップ超入門」が披露されます。
超入門と題するだけあって、バックアップの概念や方法論が丁寧にまとめられています。

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今更と言われつつも世代管理って自動化しないと正直面倒だな…と思いました。 当日の資料はこちらをご覧ください。

www.slideshare.net

続いて、お待ちかねのKeynoteです!

アクロニス佐藤匡史氏のお題は『データ保護について』です。

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まずは昨今のデータ保護に関するトレンド・実例から。自然災害が増加していることでDRの重要性が増していることや、デジタルトランスフォーメーションによって大量のデータがクラウド上に散在するリスクなどはもちろんですが、最も来場者にインパクトを与えていたのは、ランサムウェアによる攻撃が蔓延していて、対策として「ビットコインを用意しておいて支払った方が復旧コストより安い場合がある」という極めてドライな発想でした。

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自力で復旧を図って膨大なコストがかかった実例があり、金額だけ見ると確かにリーズナブルですが、賛否があるところです。

そして、アクロニス社の考える「サイバープロテクション」に説明が進んでいきます。 旧来のデータプロテクション機能に加えて、どこからでも使える「接続性」、データアクセスの管理を重視した「プライバシー」、そして元データを改ざんされていないという「真正性」、最後に攻撃からデータを保護する「セキュリティ」と行った要素が含まれていて、データ保護とサイバーセキュリティを結合させた、いわば「クラウド・バイ・デフォルト」時代のサイバープロテクションのコンセプトだと感じました。

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また、従来からバックアップソリューションを語る際の慣用句「バックアップは最後の砦」という発想も古いものになっており、攻撃者はバックアップアーカイブそのものを狙ってくるため、アーカイブを保護するという考え方が必要になっているそうです。データを保護するためには様々な新技術も取り入れる必要があり、データの真正性を確保する方法としてブロックチェーン技術は低コストで確実な方法だとのことです。

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アクロニス社としては、低コストで簡単であることを重視していて、例えば東日本大震災の後でBCP/DRが一時的に注目されたものの、コストが足枷になり挫折した企業が多数存在している事実も踏まえて、従量課金で簡単・安価に利用できるSaaSのソリューションが最適ではないかと考えていて、これはまさに「クラウド・バイ・デフォルト原則」に沿った選択肢を提示しているものでしょう。

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佐藤氏から「まだ時間大丈夫ですか?」と2回ほど聞かれたほど濃厚な内容のセッションでしたが、時折小ネタも投下してくださって楽しく聞ける内容でした。

アクロニス社のバックアップはニフクラで「クラウド型バックアップサービス(Acronis Backup Cloud for ニフクラ )」として提供されています。

続いて、飛び入りでLTに参戦してくださったのが、CData Software Japanの宮本様です。 「SaaSデータをノーコードでバックアップとバックアップデータの使い道」というテーマです。

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SaaSのデータもバックアップ必要?と素人は考えてしまいますが、データ消失のリスクはクラウドサービスといえど物理機器が裏で動いている以上逃れられない問題です。 しかし、ここではむしろその観点ではなく、CData Syncというツールを使ってクラウド上のデータをクラウド上のデータベースを同期させて活用・分析を行うことで、新しい価値を創造するというものでした。対応していれば異なるクラウドのデータベース間での連携も可能なので、用途に応じて使い分ければ費用も安くなるでしょう。

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アクロニス社とは異なる方向のバックアップの活用法として、身近なところにあるデータを使うという発想はエコだしアイデア次第で新たなビジネスに繋がる可能性もあります。 詳しくはこちらのスライドをご覧ください。

speakerdeck.com

また、最後に日本仮想化技術の宮原氏が、補足としてニフクラのバックアップ機能について説明してくださいました。

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詳しくは下記のpdfをご覧ください。

ニフクラバックアップ関連サービス比較表

セッション終了後は、会場後方で登壇者を囲んで交流会が行われました。

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遅くまでありがとうございました。

次回は、9月17日(火)開催予定です。詳細は決まり次第みなさんにご案内します!