はじめまして。ニフティの小林と申します。
本日2月24日より、ニフティクラウドに、新サービスであるNASが新登場しました! 今回はその性能ベンチマーク結果をご紹介したいと思います。
NASサービス機能概要
本サービスを利用することにより、ニフティクラウドのサーバーから共通のストレージ領域を簡単に利用できるようになります。
対応するNASのプロトコルはNFSとCIFSを選択することができ、Linux系OSからだけでなくWindow系OSからでも簡単に利用できます。
コントロールパネルからNAS領域のIPアドレスを取得できますので、クライアント側では払い出されたIPアドレスを利用してマウントします。
ベンチマーク結果
今回はNFSを利用した場合のベンチマーク結果をご紹介します。 検証環境にはwest-11を利用し、クライアント数(=マウントするサーバー数)は最大10クライアントまでのベンチマークです。 また今回は、ベンチマークツールにfioを利用しています。
単純性能値
まずは、NASにクライアント×3から同時IOを実施した、単純な性能平均値です。
※クライアント3台で各3回づつ取得した値の平均値です。
シーケンシャルreadで77.95MB/sという値が計測できました。 単純には言えませんが、Webサーバーの静的コンテンツの保存場所などに利用する場合に、選択肢として検討できるのではないかと思います。
標準ディスクとの比較
次に、標準ディスクとNASの性能比較です。 ニフティクラウドの標準ディスクをマウントした領域と、NASをマウントした領域とでIO性能を比較してみます。
※各3回づつ取得した値の平均値です。
ランダムreadの差が最も大きく、NASの性能は標準ディスクの2割弱の性能でしたがその他のパターンでは6割~8割以上の性能がキープできていました。
複数サーバーに大容量のディスク領域が必要な時、上記範囲であればNASを利用することでデータ効率の向上が期待できそうです。
多重マウント時の性能値
標準ディスクとの比較では、クライアント側は1つだけのため、おおむね単純性能値よりも良い値が出ています。 これに対して、同一マウントポイントに対し同時にIOをかけるクライアントが多いほど、性能低下が生じると予測できます。 同時IOのクライアント数を増やした場合の性能結果が以下になります。
※各クライアントで3回づつ取得した値の平均値です。
やはりマウント台数が多くなるにつれ性能低下は見られる結果となりました。 writeの性能は0.6~1.5MB/s付近で耐えている印象ですが、read時の性能は10クライアントからの同時アクセスでも27MB/sを性能を維持しています。
リージョンをまたいでの性能検証
NASは共通プライベート側ネットワークへの接続だけでなく、デフォルトでグローバル側からのアクセスが可能となっています。ゾーンやリージョンをまたいでNASを利用することができます。 ここでは、主にDRバックアップのアーカイブ領域として利用した場合を想定し、東西リージョン間の性能速度も取得してみました。
※各3回づつ取得した値の平均値です。
同一リージョンでのアスクセスに比べてこちらも性能遅延はありますが、バッチ処理でログのアーカイブをする時などの用途などに向きそうです。
まとめ
本サービスを利用することにより、静的なWebコンテンツ配信環境やログ集積環境としての利用、また共通の資材を配置しておくストレージとして利用する、というようなことができそうです。
各サーバーにディスクをアタッチするよりもコンテンツや資材の一元管理などが促進できるだけでなく、NASを利用することで運用効率も向上できるシーンも想定できます。 上記を参考に是非、NAS活用をご検討ください!