ニフクラ ブログ

ニフクラ/FJ Cloud-Vやクラウドの技術について、エンジニアが語るブログです。

社内エンジニアが知っておくべき「VMware(仮想化)」と「クラウド」の違い

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こんにちは、富士通クラウドテクノロジーズの鮫島です。

今回は、VMwareは使ったことがあるけど、クラウド(ニフクラ)は初めてという人に向けて、VMwareとニフクラの違いについて簡単に書いてみたいと思います。

なぜVMwareからクラウドへの移行が進んでいるのか

昨今、VMwareユーザーのクラウド移行シーンが熱いといわれている理由は、「VMware Cloud on AWS」の開始が発端でしょう。物理サーバーを仮想化するソフトウェア「VMware」を販売してきたヴィエムウェア社と、パブリッククラウドサービス「Amazon Web Services(以降AWS)」を提供するアマゾン社は、本来ライバルでした。要するに、オンプレミスvsクラウドの対立構図です。

しかし、このライバルが手を結んだことで、オンプレミスユーザーにとっては、オンプレミスで築き上げた環境や運用ノウハウ(VMwareの操作・運用スキル)をそのままクラウドに持っていくことができるという大きなメリットが生じます。今までのエンジニアスキルを生かしつつ、柔軟かつ俊敏なインフラを利用して、それこそ流行りのデジタルトランスフォーメーションを実現できるかもしれません。

よし!すぐ稟議をあげて「VMware Cloud on AWS」を…と、思った方が多数と思いますが、日本での提供は2018年度四半期からだそうです。はは…。

ここで一つ耳寄りな情報を…。 皆さんの眼中になかった選択肢、富士通クラウドテクノロジーズが提供するパブリッククラウド「ニフクラ」を利用すれば、いますぐVMware環境をクラウドに移行できます。あまり知られていないことですが、ニフクラは「ニフティクラウド」と呼ばれていた頃から、VMware vSphereで仮想化された基盤でパブリッククラウドサービスを提供していた、言ってみれば「VMwareネイティブなパブリッククラウド」なのです。

2010年から6,500もの案件を安定稼働させてきた実績がありますので、出来立てほやほやの「VMware Cloud on AWS」に飛びついて、初期トラブルに見舞われるようなリスクも極めて少ないといえます。また、VMwareと基本的なアーキテクチャが同じなので、エンジニアが理解しやすく初期学習コストを低く抑えられる点も大きなメリットでしょう。

ざっくり解説「ニフクラとVMwareの違い」

まずは、ニフクラとVMwareの違いを簡単な表にしてみましたのでご覧ください。 f:id:sameshima_fjct:20180731172830p:plain

雑ですか?あくまでざっくりしているだけだと思うのですが…

導入準備ですが、ニフクラはアカウントを取得して、管理画面にログインすれば5分でサーバーを立ち上げれるほどの簡単なUIが用意されています。VMwareを使ったことがある人は、もちろん触ったことがない人でも、直感的に理解できるはずです。

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VMwareユーザーは「え?vCenterとか使えないの?」と驚かれるかもしれませんが、ニフクラは「VMware Cloud on AWS」と異なり、仮想マシンの操作はすべて独自のコントロールパネル(管理画面)またはAPIで行います。よって、できることは、オンプレミスでVMware vSphereを直接操作するのにくらべると極めて限定的ですが、通常のシステム構築において必要十分とされる機能は、ほとんどコントロールパネルもしくはAPIから実行できるはずです。

障害発生時には、ニフクラでもVMwareの代表的な機能であるHA(High Availability)が動作しますが、FT(Fault Tolerance)の機能はありません。ここは、システムの可用性のレベルをどこまで高める必要があるか、自社の事業やシステムに応じて判断必要ですが、ニフクラの場合、比較的安価に可用性を高める方法が複数用意されているうえ、DRに関しても、国内に複数のデータセンター(リージョン)をもっており、自社の立地などの条件に応じた柔軟なDR対策が行えます。

しかも、コントロールパネルでサーバーを作成する際に、東または西の遠隔(貴社から遠い)エリアのリージョンを選択するだけでいいのです。オンプレの場合、VMwareでHAやFTが動作したとしても、サーバーそのものが物理的に故障したり損傷した場合に備えて冗長化構成にしたり、遠隔地にDR用バックアップを設置するとなると、かなりのコスト(機器・場所・運用のための人件費)が必要になります。VMwareのライセンスも不要ですので、面倒なバージョンアップも不要です。

最も重要なことは、ニフクラならばサーバーのリソース増強が極めて簡単にできることです。オンプレの限られたリソースをやりくりしてVMを作成する苦労、あらたなサーバーを調達する苦労(社内調整したり稟議書を書いたり、データセンターを契約したり、サーバーやネットワークのセットアップをしたり)から解放されます。

ネットワークは少々注意が必要!しかし便利な部分も多い

VMwareとニフクラで、最も違う部分はネットワークでしょう。パブリッククラウドであるニフクラは、基本的に物理サーバーを他のユーザーと共有しながら利用しているので、共有のグローバルネットワークと共有のプライベートネットワークが存在しており、セキュアにクラウドを利用するためには、「一定のお作法」を理解してシステムを構築する必要があります。

たとえば、まずサーバー(VM)を作成する際には、リージョンやゾーンという概念を理解した上で、それぞれをセキュアに利用するためのネットワークを構築しなければなりません。その際に、ニフクラならではの仕様や多少の制約があります。しかしながら、さほど心配する必要もなくニフクラブログなど公開ドキュメントを読めば誰でも理解できるレベルのはずです。

それよりも、使い方次第ではクラウドならではのメリットの方が大きいといえます。例えば、VPNに関しては「拠点間VPNゲートウェイ機能」でL2/L3接続が可能ですし、対応する機器・ソフトウェアも有名どころを網羅しています。ロードバランサーも手軽に設置できて、L4/L7でロードバランス可能なだけでなく、SSLアクセラレーションも行えます。ニフクラならばコントロールパネルから視覚的に手軽に設定できます。豊富で柔軟性の高いニフクラのネットワーク機能を利用して可用性の高いシステムを構築できます。

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サイロ化防止の最適解がVMware vSphereベースのニフクラ

長年オンプレにVMwareを入れて使ってきた企業は多いと思いますが、経営者が、何かのメディア記事に影響を受けて全社に対し「これからはデジタルトランスフォーメーションだ!まずはクラウドを使え!いますぐ物理サーバーから移行せよ!」などと号令をかけるようなことはめったにありません。だいたい、いわゆる情シス部門よりも事業部門が小規模に特定案件のためにクラウドサービス(AWSとか…)を使い始めます。

大企業ほど、そういうケースが起きやすいと思いますが、情シス担当者の知らぬ間に会社のあちらこちらにAWSのインスタンスが乱立しはじめます。しかも、独自にAWSの知識をつけてしまい、AWS布教をしてしまう人間がでてきて、VMware派の情シスとの溝が深まっていきます。こういう状況はある意味サイロ化の深刻な状態です。日本語ではタコツボ化ともいいます。

両者が歩み寄るためには、それこそ「VMware Cloud on AWS」といったサービスの利用が考えられます。しかし、しつこいようですが何度でも言います。日本での提供は2018年度四半期からだそうです。そこでおすすめしたいのがニフクラです。もう、勘弁してくれと言われてもあえて言いますが、ニフクラはVMware vSphereを基盤としたクラウドなので、VMwareに習熟した情シス部門の担当者でも理解しやすく、学習コストもかからず事業部門とも連携がとりやすいはずです。

今流行のデジタル革新を検討する際も、情シス部門が扱う基幹システムと事業部門のクラウドの連携もスムーズに進めることができるかもしれませんね。

さいごに

オンプレのVMをニフクラに移行する手順に関しては、いくつか用意されています。VMwareからOVFファイルとしてエクスポートしたものをニフクラのVMインポート機能を利用する方法、有償になりますが「ディスク受取サービス」を利用して、OVFファイルを宅配便などで送っていただく方法もございます。詳しい移行の手順に関しては、別のブログ記事 blog.pfs.nifcloud.com

でご説明しています。

VMwareを使っていてニフクラに興味を持った方は、本記事を参考にぜひ検討を進めてみてください。さらに、クラウド移行についてもっと詳しく知りたい方は、 『VMwareユーザーのためのクラウド移行のポイント』をまとめたeBookを無償で提供しています。こちらもあわせて、ご確認ください。 eBooKのダウンロードはこちら

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