こんにちは、CRE部 技術支援チームです。
「不安定、高負荷、障害、致命的、エラー、赤い文字、赤ランプ ...」
システム運用している方にとっては、絶対に聞きたくない嫌な言葉ですね。
出来れば発生しないに越したことはありませんが、障害は必ず発生するものとして、有事の際でもシステムの可用性、継続性を確保すべく、様々な手段でシステム設計、構築が行われています。
しかし、可用性向上のためには、冗長化のための追加リソースやソフトウェアのライセンスが必要なケースがほとんどであり、どうしてもその分のコストがかかってしまいます。
ニフクラでは、追加コスト不要で提供している自動フェイルオーバー(HA機能) により物理サーバー障害への一定の冗長性を確保できるのはご存じの通りです。
しかし、基本的にはOSレイヤー以上はお客様の責任範囲であり、お客様自身で冗長性を確保するための要件に応じた設計、構築をいただくことになります。
ロードバランサーやクラスタリングソフトウェアの利用は、よく採用される冗長化の手法ですが、必要なハードウェア、ソフトウェアリソースが増え、共有ストレージを組み合わせての全体設計は複雑になりがちです。
そこで今回は、よりコストをかけず、なるべく少ないリソース/短時間でサーバーとストレージ含めた冗長構成を可能とする、Windowsサーバーの「 Storage Spaces Direct 」(S2D)機能について検証してみます。
Storage Spaces Direct (S2D)とは
Storage Spaces Direct (以降S2D)とは、「記憶域スペースダイレクト」とも呼ばれている技術で、サーバーのローカルディスク領域を使用してクラスター共有ボリューム(CSV)や、スケールアウトファイルサーバー(SOFS)を構成する機能です。 外部に共有ストレージが不要であり、複数のWindowsサーバーのみで構築可能です。
S2Dの仕様および構築要件については、記憶域スペース ダイレクトのハードウェア要件 | Microsoft Learn を参照してください。(外部サイトのため、リンク切れの際はご容赦ください。)
構成イメージ
本検証では、以下構成図の通り環境を実装しています。
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