増設ディスクのサービスラインナップが一新
みなさま、こんにちは。ニフティの久江(きゅうえ)と申します。
2015年6月24日、ニフティクラウドにおいて従来の増設ディスクのサービスラインナップが一新され「標準ディスク」と「高速ディスク」がリリースされました。「標準ディスク」は、情報システム系の基盤・開発環境や、バックアップ用途としての利用を想定しています。 また、それに伴い従来のDisk200は「高速ディスク」へ、Disk40は「標準ディスク」へと自動的に移行されます。
特に「標準ディスク」は2000円/100GB/月と、従来のDisk40と比較して50%の値下げとなりました。
「料金が半額になったのは良いけど、相対的に、高速ディスクと比較してどうなの?」というところで、気になる方もいるかと思います。 汎用的なベンチマークツールを使用して「高速ディスク」と「標準ディスク」を簡単に比較してみました。
ベンチマークツールについて
今回の測定に利用したツールはdbench 4.0です。 dbenchはディスクに対して、特定の時間に、複数クライアントからの接続ををシミュレートした書き込みを行い、そのスループットを計測するツールです。
今回は、5クライアントで120秒間の負荷を計測する以下のコマンドで実施し、ランダムに取得した3回の結果を比較しました。
# dbench -t 120 5 -D /StandardDisk
測定環境
dbenchはCPU性能にも左右されますので、ディスクの性能が仮想マシンのCPU性能で頭打ちにならないよう、複数vCPUのサーバーを用意しました。今回は、4vCPUを持つ、e-largeサーバーを選択しています。
- ゾーン:east-14
- サーバータイプ:e-large(4vCPU 4GB)
- OS:CentOS 6.6 プレーンインストール(64bit)
- ディスクサイズ:100GB
- ファイルシステム:ext4
測定結果
以下が、dbenchによるスループットの測定結果となります。 標準ディスクのスループットは、高速ディスクの半分程度という結果が出ました。
また、補足ですが、測定条件を変えて同様のベンチマークを取得したdbenchの測定値を参考までに掲載いたします。 このパターンは同時クライアント数を8にし、60秒間の負荷をかけた結果です。
標準ディスクは最初に実施した試行結果と大差はないですが、高速ディスクの結果はクライアント数を上げたことでスループットが向上しているようです。 完全に同じ条件ではないですが、高速ディスクは突発的な負荷が来た場合でも頑張ってくれるような動作をしてくれそうです。
注意したい点は、今回はリリース直後の環境で計測しているため、いわゆる「隣人」の影響が少ないタイミングだと思います。(つまり、ストレージを共有しているユーザーが少ない状態) パブリッククラウドはリソースを共有することが多く、ニフティクラウドも例外ではありません。24時間365日を通して、性能の安定性や、一定期間経過後の性能などもプロットして、パフォーマンス状況を確認して行くことが重要と言えます。
まとめ
今回は、ニフティクラウドで新規にリリースされた「標準ディスク」と「高速ディスク」を、ベンチマークツールを使用して性能を相対的に比較しました。 「標準ディスク」は「高速ディスク」の約50%程度の性能となり、GB単価のコストパフォーマンスで見ると、標準ディスクに軍配が上がりました。もちろん、単純なコストパフォーマンスでの比較ですから、使う用途などで、どちらを選ぶべきかは異なると思います。
まずは検証にて、実際のサービスにどちらが向いているか、お試しいただくことをオススメします。 また、サーバーに接続する上で標準ディスクと高速ディスクを両方利用するなどの使い方も出来ますので、お客様の環境に合わせてお選びください。
個人的にはこの数年でストレージ、物理サーバー、ハイパーバイザー、OSなど、すべての面でパブリッククラウドの性能が進化していると感じます。 今回の標準ディスクは高速ディスクより安価ですが、十分実利用に耐えうる性能ではないかと思います。
以前、ニフティクラウドを試して性能と価格の折り合いがつかなかった方も、是非もう一度お試しください!!
※ニフティクラウドは、パブリッククラウドでありベストエフォート型のサービスです。 ※上記ベンチマーク結果は2015年6月に「east-14」にて実行した結果となります。 ※ベンチマークツールは、多大な負荷をかける処理を行います。本番環境での実施はくれぐれも計画的に。