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【レポート】第29回ニフクラエンジニアミートアップ特別座談会「ニューノーマルでクラウド業界はこうなる!」

こんにちは。 ニフクラエンジニアミートアップ事務局の鮫島です。
2020年9月30日に、第29回ニフクラエンジニアミートアップを開催しました。

今回は、恒例の特別企画
特別座談会「ニューノーマルでクラウド業界はこうなる!」

と題して、クラウド業界の識者を集めて、ニューノーマルにおけるクラウド業界のトレンド・動向を語っていただきました。

fujitsufjct.connpass.com

今回の登壇者

・工藤 淳氏(アイレット株式会社:Amazon Web Servicesパートナー)
・鈴木 与一氏(NTTコミュニケーションズ株式会社)
・横田 真俊氏(さくらインターネット株式会社)
・吉田 雄哉氏(日本マイクロソフト株式会社)
・五月女 雄一氏(富士通クラウドテクノロジーズ株式会社)
・宮原 徹氏(日本仮想化技術株式会社・司会)

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今回も外資勢・国内勢含め主要なクラウドベンダー・インテグレーターから錚々たる論客(おなじみのメンバー)が揃い、熱いトークが繰り広げられました。

初のオンライン座談会でしたが、全員面識がある登壇者同士が開始前から盛り上がってしまい、恒例の宮原氏による乾杯の発声をする前に開会してしまいそうになったほどでした。

なお、基本的には動画を見てくださったほうが面白いので、それぞれの見どころとおおよそのタイムスタンプを記載していきます。

www.youtube.com

コロナ禍における各人の近況報告(3:40~31:00)

まずは、「最近何やってるの?」的な話からスタートしました。
リアルで他社の人と会う機会が激減した今、最先端のIT企業のさらに最先端を走っているであろう登壇者の皆さんの近況はいったいどのようなものか、期待が集まります。

横田 真俊氏(3:40~)

近況としては、本当に日常の話をしてくださいました。

・コロナ禍でテレワークが続き体重が増えてしまった
・健康のために「Fit Boxing(フィットボクシング)」を始めたところ、6キロ痩せた
・ニューノーマルでテレワーク中心の業務形態になったのは皆さん同様

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トークのみで勝負する横田氏

宮原氏からのコメント:
いち早くニューノーマルに適応したオフィスの縮小というダイナミックな対応を行ったことで、参考にしている人も多いのではないか?

吉田 雄哉氏(5:50~)

まじめな話をするとの前置きで、資料を用意してお話しくださいました。

・緊急事態宣言が発令するかなりから、すでにリモート業務を実施
・お客さんと対面で話すことはほとんどない。今日もいつものスタイルで参加
・中小のほうが(ニューノーマルに適応し)小回りが利いていた。大手は苦労した印象
・今回の事態で急激な変化に追随できたか?システムが役に立ったか?という問いかけ
・天変地異は多くの人が同じ体験をするが、危機感に大きな差が生じている
・Microsoft社のニューノーマル時代の3新機軸について
・課題の解決は複数の組み合わせが必要。一つのサービスでは解決不可能
・前例・経験が通用しない不確実性に備え、共に模索する。

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Microsoft社のニューノーマル時代の3新機軸

宮原氏からコメント:
急激な変化に追随できたか?冷静に考える余裕がなかった時期から、落ち着いて考える時期に来ていると思うので、また後程深堀してみたい内容。

鈴木 与一氏(13:25~)

IoTやスマートファクトリーという製造業向けのDXソリューションを提供しているとのこと。

・ニューノーマルは最初はリーマンショックで言われた用語
・ニューノーマルで通信環境やクラウドの重要性が認識された
・コロナ禍でDXが加速。加速しないと事業終了という事態に
・事業終了の実例として相次ぐアパレル業界大手の閉店を例示
・リニアエコノミーから、サーキュラーエコノミーへ
・IT活用で事業変革という企業DXで社会課題を解決する必要性

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サーキュラーエコノミーで循環型の経済へ

テレワークが困難と言われている業界・業態こそ、DXによる事業変革の余地があるという示唆を感じる内容でした。

工藤 淳氏(20:36~)

アイレットというよりクラウドパックといったほうが通りがいいと前置きしつつ、人前で話すのが久しぶりとのこと。
Googleトレンドのリサーチ結果も交えたお話。

・前回の座談会におけるバズワードであったDXが、コロナ禍で再上昇
・Kubernetesは、こなれてきているが小規模に始めるケースが多い
DevOpsCI/CDの要望が増加、クラウドベンダー提供の機能も拡充傾向
・クラウドとの外部連携で、Github ActionsやCircleCIなどSaaS拡充に注目
・個人的な興味ワードは、MaaSとRPA(ローコードやノーコード観点)

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デジタル庁は、今回のNGワード

宮原氏からのコメント:
今回は、皆さん技術的な話はしづらいのかな?と思っていたけど出てきたので良かった。 Kubernetesが「こなれてきた」という話、自分も最近使い始めたので(世間的にも)そうなのかな?と感じている。

五月女 雄一氏(25:58~)

ニフクラの開発や運用をやっていたが、最近は社内のDX的な活動が多く、テレワークや生産性向上・業務改革(非エンジニア含む)に関する講演をする機会が増加

・テレワークは、困った点や技術以外の課題を話すとウケる
・総務省のデータで全面テレワーク実施企業は1割以下という事実にショック
ゼロトラストは全面適用に至る過程や考慮点の話を多くしている
・DXに関して、非エンジニアの業務効率化の話はウケる
・Kubernetesは、自分の相対するお客様ではまだまだ。コロナ禍で延伸案件も
・ニフクラのDevOpsはツール+文化+ノウハウで(DevOpsの)体験を得られるサービス
・CI/CD実践している企業が増加
・DXは新規置き換えだけでなく、段階的な移行も可という話に腹落ちしてくれる

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ニフクラの考えるDevOps

ということで、登壇者全員の近況が一通り終わりました。
ここからは、皆様からのチャットでの質問などに応えつつ小一時間フリートークを行うことに。

コロナ禍でクラウドの利用は増えたのか?(31:15~)

チャットでの質問に回答。クラウド関係で伸びたサービス減ったサービスについて知りたい。また、トラフィックの増加への対応・最適化は何か行っているのか?

吉田氏

・一番伸びたのはトラフィック
・DXできたところと出来ないところの格差が広がっている
・TeamsやZoomで映像や音が出ない=存在しないのと同じ。対策は継続実施
VDIの利用は増加。セキュリティ強化策としては勧めないが暫定テレワーク手段としては可
・伸びているのは髪の毛

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テクノロジーセンター長はロン毛必須?と訊かれる吉田氏

五月女氏

・ゲームのトラフィックが増加。以前のピークと異なる時間帯。仕事中にゲームしてるのか?
CDNの利用が増えた
・明らかにトラフィック対策と思われるサーバー構成を取っている企業が見られる

横田氏

・クラウドは全体的に利用は伸びている
・5月くらいは特にモバイルからのサービスのトラフィックが落ちた
・やはりCDNは増えている

鈴木氏

・こういう時期なので、お客さんは「変えなければ」と「投資は見送り」の両極端に分かれる

宮原氏

・帯域不足や回線増強など課題になった時期は力技で対応したが今は落ち着いている
・対応できなかった企業はあきらめて出社している
・コロナと無関係に5Gとか商用サービス化が進んでいる

テレワークと働き方改革(43:21~)

五月女氏

・4月5月に比べ明らかに出勤者が増えている
・弊社は五輪時期は出社困難になるので事前に訓練していた
・力技で課題を解決する手段が必要
・世の中が急激に変わってハンコや書類の電子化といった取引先の協力が必要な改革が進んだ

横田氏

・良くも悪くもこの環境に慣れてしまった(出社している人)
・弊社はテレワークの準備をしていた
・慣れていると適応しやすかった
・(ハンコ問題とか)デジタル化は、先行者がベストプラクティスを見つけて広めるしかない

吉田氏

・そもそもテレワークは働き方の多様性という観点で推奨されていた
・その観点で準備していた企業はその他のメリットも発見して継続している
・変わったのはやらなければならないことの優先順位では?
・VDIの次にセキュリティを考えるとゼロトラストに進むしかない

工藤氏

・チームで話し合って対面で打合せをするため週2出社に(おもにメンタル面のケア)
・お客さんもカメラをオフにするので、顔がわからない
・書籍「テレワークマナー」の教科書が面白い。回線とか身だしなみとか

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話題のテレワークのマナー教科書は身だしなみにうるさい

鈴木氏

・IoTは(センサーとか)物理機器を設置するために外出する必要がある
・東京より大阪のほうが、対面営業を求める傾向があり出社率が高い

宮原氏

・短期間でデジタル格差が開いてしまった不安
・ハンコ無くしたらDX?本人確認手段がマイナンバーカードってどうよ

テレワーク化でのコミュニケーション(55:23~)

五月女氏

・欧米企業でテレワークは悪と言い切っている企業がでている。日本ではどうなるか?
・全社でテレワークを実施した結果、テレワーク×という判断に至ったのならいいが、あきらめ組が×というのは違う
・今のオンラインコミュニケーションはテクノロジーがまだ追いついていない

鈴木氏

・テレワーク中の身体的・精神的な健康面でのケアが大事

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自宅では家族に迷惑がかかるとのことでオフィスから参加の鈴木氏

吉田氏

・欧米は時差がある距離感で顧客と移動中のテレカンが日常的に行われている
・自社ではマネージャー研修で、オンラインコミュニケーションのプログラムが存在
・テレワークだからこそ可能なことも多いので、デメリットよりメリットが重要 ・できないことがあれば模索する。
・ツールでは画面と声の情報ですべてを判断。それを補完する機能も追加されてつつある

地方移住について(1:03:30~)

地方移住すると政府が補助金を出すというニュース。東京の企業に所属しながら地方でテレワーク勤務すると100万支給、企業すると300万という話について。

宮原氏

・計算すると100万じゃペイしないが、そもそもしようと思っていた人には追い風
・地方に移住したが仕事を継続できるとか、地元で仕事を見つけられないとかの課題を解消できるのはメリット
・地方の教育や医療などは課題が多いが、ITで解決する方向では?

横田氏

・弊社の社長はすでに沖縄に行っている
・地方移住は加速せざるを得ない ・弊社では実家から仕事することは可能

吉田氏

・今だと、東京から来られる側が迷惑だったりするかも
・(テレワークとか地方移住を自分の意志で)選択することができればいいと思う
・メリットデメリットがある

五月女氏

・総務省のテレワーク実施1割というデータを見る限り加速しようがない?
・パソナさんのように本社移転という方法もあるが、流行るかまだ確信がもてない
・首都圏の利便性を捨てて不便な地方に移住するか?
・政府のSociety5.0で語られるような理想上の5G世界が実現しているなら地方移住してもいい

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総務省の調査によるテレワーク率の低さが気になる五月女氏

鈴木氏

・親の介護で実家でリモートワークをしている人がいる。逆にこの状態で戻れない(逆に可哀想)

ニューノーマルの傾向と対策(1:07:35~)

宮原氏

・IT業界はこの事態を「ドッグフーディング(自社製品を使うこと)」によって、産業構造を維持できることをここ半年で証明された
・基本的なIT知識があることが重要であり、無ければ(リモートで)話がそもそも通じない
・非エンジニアのITスキルを一段階引きあげる必要性
AIバブル崩壊が顕著になった感
・非IT企業の経営者の判断でIT投資は減速傾向か?

横田氏

・リアル勉強会で交友関係を築く方法論がオンラインでは困難
オンラインでのコミュニティマーケティングの有効性について模索中

五月女氏

・名刺交換ができなくなったので、オンラインではコンタクトすることが難しい
・リアルでは登壇後に話しかけてくる人がいた。オンラインではそれの置き換えが無い
・IT投資は時間差で影響がでる。下期は冷静に考える時期だが、アクセルを踏むのか踏まないのか?

工藤氏

・社内のITサポートが大変になった
・オンラインだと隣の人と話すことができず、業務につながるようなことが全くない
・終わってから飲みにもいけない

吉田氏

・コミュニケーションツールや機材を使いこなす素養が重要
・データ利用案件・IoTは増えていて、業界として危機感を持っている企業でアクセルを踏もうとしているケースはある
・勉強会のようなリアルイベントで情報を入手することができなくなったのでオンラインでアピール重要
・1年くらい名刺を渡したことがない。名刺を渡さなかったことで、逆に記憶されることがある。

まとめ(1:25:15~)

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半年後に答え合わせをしたいと提案する宮原氏
宮原氏によるまとめ:
クラウド業界だけでなく新しいことを始めにくい状況であるのは事実。正解がない状況でどのうように解決していくか?そういう話を、半年後の宿題として皆さんがどう対応したかの答え合わせをしたい。働き方とか仕事の作り方などを定点観測してみたい・・・ということで、登壇者の皆様も同意していました。

本編については、見たい箇所のタイムスタンプをもとに下記の動画をご覧ください。

www.youtube.com

前回の座談会のレポート記事も併せてご覧いただくと、より今回の座談会が楽しめると思います。

blog.pfs.nifcloud.com blog.pfs.nifcloud.com

次回第30回ニフクラエンジニアミートアップにもぜひお越しください。

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