2011年8月22日、ニフティクラウドのアップデートを行い、以下の機能が利用できるようになりました。
イメージ配布・共有機能
カスタマイズイメージを特定の ID に対して配布、共有ができるようになりました。
オフィシャルパートナー様は不特定の ID に対しても配布、共有ができます。
あらかじめモジュール、アプリ等をセットアップしたサーバーを配布、共有できるほか、パートナー様が配布する商用パッケージ入りのイメージからサーバーを作成して利用することができます。
ニフティクラウド SDK for Ruby
ニフティクラウド SDK に Java 版に加え Ruby 版が登場です。
Ruby on Rails を利用して運用アプリケーションを構築したり、Capistrano と組み合わせてサーバーをデプロイする等、既存の Ruby 資産と合わせて利用することで活用の幅がさらに広がります。
コンソール
コントロールパネルからサーバーのコンソールが利用できるようになりました。
サーバーのディスプレイをそのまま表示しているイメージになりますので、SSH 等リモートで接続できない状態でもサーバーの状況を確認することが可能になります。
また、コンソールの機能として、ローカルのドライブ、ISO ファイルをマウントしてサーバーに見せることもできますので、CD-ROM に入っているアプリケーション、パッケージ等を手軽にインストールすることができます。
コントロールパネルのパターン認証
現状の @niftyID 認証に加えて、数字の位置をパスワードとして用いるパターン認証を追加できます。
認証が二要素になることで、コントロールパネルの利用がよりセキュアになります。
また、パスワード自体はログインするたびに毎回変わるワンタイムパスワードなので、ブルートフォースで破られる可能性も低くなっています。
HA、ディスク障害発生時の通知機能
HA によるサーバー再起動、ディスク障害が発生したときに、コントロールパネルに通知を表示します。
サーバー毎に影響があったかどうかを確認できますので、意図せずサーバーが再起動した場合はまずコントロールパネルを確認してみてください。
CentOS 5.6 の提供
これまでの CentOS 5.3 に加えて、CentOS 5.6 の提供を開始いたしました。
今後、他のディストリビューションについても準備が整い次第追加していく予定ですのでご期待ください。
Oracle DB 利用環境の提供
Oracle データベースを利用できる環境を提供します。
お手持ちの Oracle ライセンスを持ち込んで利用することができます。
今回は、この中からすぐにお試しが可能なコンソールについて、詳しくご紹介したいと思います。
コンソールについての詳しい使い方は以下から。
コンソールを使ってみる
コンソールとは?
ニフティクラウドで提供する「コンソール」は、サーバーのディスプレイを表示し、キーボード、マウスによる操作を可能にする機能です。いわゆる、サーバーのシリアルコンソール的なものになります。
※ちなみにニフティクラウドのコンソールはシリアル接続ではありません。
SSH やリモートデスクトップは、サーバーのネットワークが切れたり、サーバーが再起動してしまうと接続が切れてしまいますが、コンソールはその影響を受けずに表示、操作が可能です。
さらに、ニフティクラウドのコンソールには、手元の CD-ROM ドライブや、ISO ファイルをマウントしてサーバーに見せられる機能を備えています。
コンソールがあると何がうれしいのか?
さっきも言いましたが、コンソールはネットワークやサーバーの状態の影響を受けずに表示、操作ができます。
例えば、以下のような状況に陥った経験は無いでしょうか?
1. 設定をミスってサーバーにアクセスできなくなってしまった・・・
2. SSH 秘密鍵なくしちゃったかも・・・
3. サーバー再起動しただけなんだけどなかなかあがってこない・・・
コンソールのない世界
1. お手上げです。サポートにお願いして(サポート料金を払い)設定を戻してもらうしかありません。
2. お手上げです。ここはサポートもお手伝いできない部分になります。
3. OS 起動処理に時間がかかっている(何が起こっているかは知るすべがありません)ので辛抱強く待つしかありません。強制再起動を行おうものなら事態はさらに悪化するでしょう。
コンソールのある世界
1. コンソールからログインして設定ファイルを修正。以上。
2. コンソールからログインして鍵ペアを再生成 or 別途作成した公開鍵をインストール。
3. コンソールをのぞいて何が起こっているかみてみましょう。fsck 等の時間がかかる処理を行っているケースが大半です。待つことに変わりはないですが、ただ待つだけよりは精神的にだいぶ楽です。
一言で言うと「安心してサーバーをいじれる」これがクラウドにおけるコンソールの最大のメリットです。
ニフティクラウドのコンソール 注意点
ニフティクラウドのコンソールには、動作環境の制限等いくつか注意点があります。
対応ブラウザは Internet Explorer 8 のみ
VMware 社が提供している vmrc プラグインを使用している関係で、対応ブラウザは IE8 のみとなります。
接続元 IP 制限
セキュリティ強化のため、コントロールパネルにアクセスした IP と、コンソール用サーバーにアクセスした IP が同じかどうかチェックしています。
インターネットの出口 IP が 2 つある場合などは利用できない場合があります。
20000/tcp 以上のポートを利用
20000/tcp 以上のポートを利用しているので、ポート制限がかかっている環境では利用できない場合があります。
接続元 IP 制限、ポート制限等にあたる場合は、ニフティクラウド上に一時的に WindowsServer を立てて、そこからコントロールパネル、コンソールを利用するという手もあります・・・。
一定時間無操作時の強制切断
一定時間操作がないコンソールは強制切断されます。
コンソールは限られたリソースを利用しているため、操作が終わり次第の切断をお願いします。
混雑状況によってはコンソールが利用しづらい状況が発生する場合があります。
コンソールを使ってみる
前振りが長くなってしまいましたが、さっそくコンソールを使ってみたいと思います。
プラグインのインストール
コンソールは VMware 社の vmrc プラグインを使用しているので、インストールする必要があります。
①サーバー一覧のコンソールアイコンをクリックします。
②プラグインダウンロードリンクをクリックして、ファイルを保存します。
③IE が立ち上がっているとインストールできないので、いったん IE を閉じます。
④保存したインストーラーをクリックしてインストールを開始します。
⑤ウィザードに沿ってインストールします。
コンソールの立ち上げ~利用
プラグインのインストールが完了したらコンソールを利用する事ができます。
①サーバー一覧のコンソールアイコンをクリックします。
②注意事項が表示されるので OK ボタンをクリックします。
③SSL 証明書の警告が表示されます。Ignore をクリックします。
④コンソールが立ち上がります。
※画面が真っ黒の場合は、コンソール内をクリックして、キーボードをたたくと画面が表示されます。
⑤OS のログインアカウント、パスワードを入力して OS にログインできます。
※コンソールの画面から抜け出すには Ctrl+Alt キーを押します。
コンソールで利用できる機能
コンソール画面のメニューから以下の機能利用する事ができます。
VMware Remote Console メニュー
・Send Ctrl+Alt+Del
Windows Server でログインする時など Ctrl+Alt+Del キーを入力する必要がありますが、キーボードで入力してしまうと PC の Ctrl+Alt+Del が実行されてしまいます。
メニューから実行することでコンソールのサーバーに対して Ctrl+Alt+Del を入力できます。
CentOS の場合はデフォルトで再起動がかかる設定になっているのでご注意ください。
・Reset
サーバーをリセットします。OS の応答が無くなった場合などに利用できます。
※OS のリブートでは無く、マシンのリセット(コントロールパネルからの強制再起動と同様)になりますのでご注意ください。
・Suspend and Exit
サスペンドの実行になりますが、ニフティクラウドではサスペンドをサポートしていないため、無効化されています。
実行すると、「実行権限が拒否されました」とダイアログが表示されます。
・Disconnect and Exit
コンソールを終了します。閉じるボタンをクリックするのと同じ動きになります。
Devices メニュー
・CD/DVD ドライブ
PC の CD/DVD ドライブ、ISO ファイルをマウントします。
サーバーからデバイスとして認識されますので、OS からマウントして利用する事ができます。
・ネットワークアダプタ
NIC の取り外し機能になりますが、ニフティクラウドではサポートしていないため取り外しはできません。
まとめ
以上、コンソールのメリットから実際の使い方まで簡単にご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
「安心してサーバーをいじれる」とてもすてきな機能になりますので、コンソールをどんどん活用いただいて充実したサーバー構築ライフを送りましょう。