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マルチロードバランサーにルーティング機能が追加されました

こんにちは、ニフクラIaaS開発エンジニアの id:o108minmin です。
11月7日にニフクラのマルチロードバランサーにルーティング機能が追加されたのでご紹介します。

目次

マルチロードバランサーとは

ニフクラのレイヤー4対応ロードバランサーは、グローバルネットワークのみに対応したロードバランサー(L4)と、 プライベートネットワークの負荷分散にも対応したマルチロードバランサーの2種類があります。

後者のマルチロードバランサーは、その特徴からオンプレミスとのセキュアなハイブリッド構成や、プライベート ネットワーク環境のみの社内システムの構築などでもご活用いただける機能です。

マルチロードバランサー f:id:sameshima_fjct:20201026111230j:plain

マルチロードバランサーのルーティング機能エンハンスについて

今までのマルチロードバランサーは、自身が接続していないセグメントとは通信できませんでした。11月7日に行われたエンハンスで、マルチロードバランサーにルーティング機能が追加されました。これによって、複数のネットワーク階層をまたいだ負荷分散が可能になりました。

構成例を見ながら解説していきましょう。

マルチロードバランサーのルーティング機能、構成例

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これは、east-11リージョンで構築されている社内システムの例です。

各ルーターはデフォルトゲートウェイとして、各サーバーに設定し、ルーティングの設定も済んでいます。マルチロードバランサーelbはアプリサーバーapp0、app1を負荷分散します。今回はPrivate LAN 0のclientから、Private LAN 2のapp0、app1に接続する例を考えます。

先ほどご説明した通り、従来のマルチロードバランサーでは、自身が接続していないセグメントへのルーティングができませんでした。そのため、Private LAN 2のapp0、app1からPrivate LAN 0のclientへの戻り通信ができなかったということになります。それを解決するため、マルチロードバランサーにルートテーブルの設定項目が追加されました。

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このように、clientへのルーティングをマルチロードバランサーへ設定できるようになりました。この設定によって、マルチロードバランサーが接続していないセグメントへのルーティングが可能になります。したがって、従来ではできなかった今回のような構成でも、マルチロードバランサーを利用したネットワークが構築可能です。

具体的な設定方法は、ヘルプ内のマルチロードバランサーのルートテーブル設定マルチロードバランサーのルートテーブル設定変更マルチロードバランサーのルートテーブル設定解除の項目で解説しておりますので、ご確認ください。

最後に

今回のエンハンスにより、マルチロードバランサーやプライベートLANを利用した構成の幅がより広がりました。
クラウドへのリフト&シフトを加速させるニフクラを、今後ともよろしくお願いいたします。