ニフクラ ブログ

ニフクラやクラウドの技術について、エンジニアが語るブログです。

徹底比較: ニフティクラウド VS Amazon Web Services

はじめまして、サーバーワークスの羽柴(@hashiva)です。
今日からニフティクラウドについてブログを書いていきたいと思います。
早速ですが本日はニフティクラウドとAmazon Web Services(AWS)とのベンチマーク比較を実施してみました。日本クラウド界隈において恐らく相当な知名度を誇るであろうこの両社をがっつり比較してみたいと思います。
両社ともに全く同じサイズのサーバー(インスタンス)は存在しないので比較とは言っても完全なものではないのですが、参考までにご覧いただければ幸いです。

まずはコスト比較から

Amazon Web Service(以下、AWS)

インスタンスは全て[EBS-Store:30GB]を前提とします。為替レートは「¥81」で計算しています。
※ECUとは・・・「2007年当時のAMD OpteronおよびIntel Xeon 1G~1.2GHz程度」とのことです。

インスタンスタイプ従量/時従量/月定額/月メモリCPU
micro ¥2.0 ¥1,750 - 613MB 1ECU
small ¥7.7 ¥5,968 - 1.7GB 1ECU
High-Medium ¥15.4 ¥11,693 - 1.7GB 5ECU(2.5 ECU× 2 仮想コア)
Large ¥30.8 ¥23,143 - 7.5GB 4ECU(2 ECU× 2 仮想コア)

ニフティクラウド

インスタンスタイプ単位従量/月定額/月メモリCPU
mini ¥12.5 ¥93,00 ¥7,875 512MB 1GHz
small ¥23.1 ¥17,186 ¥13,335 1GB 3GHz
medium ¥44.1 ¥32,810 ¥25,410 2GB 3GHz(2v)

基準やスペックが均等ではないので単純比較できるものではありませんが、メモリやCPUの単価は表だけでみるとニフティクラウドのほうが割高な感じが否めません。

それではベンチマーク比較を行ってみます。

super pi によるベンチマーク測定

対象となるサーバを構築します。完全に同一環境は困難だったのである程度で妥協していますが、AWSはAMI化してインスタンスタイプのみ変更、ニフティクラウドは同一コマンドを順次実行することで別タイプサーバの構築を行っています。

サーバー基本情報

OSアーキテクチャapache-httpdストレージ
AWS CentOS-5.5 32bit 2.2.3-43.el5.centos.3 30GB
ニフティクラウド CentOS-5.3 32bit 2.2.3-43.el5.centos.3 30GB

super pi

コンピュータ (CPU/メモリ) のベンチマークに使うことができる円周率計算プログラムです。シングルコアのみ対応でここでは演算結果表示までにかかる時間を計測値とします。

$ wget ftp://pi.super-computing.org/Linux_jp/super_pi-jp.tar.gz
$ tar zxvf super_pi-jp.tar.gz
$ ./super_pi
=====================
(計算したい桁数を2の何乗かで入力)
[19→52万桁][20→104万桁][21→209万桁]
=====================

結果


ニフティクラウドが約1.5倍位早いようです。これならロケーションによるネットワークレイテンシ差を除いても演算処理をさせる場合はニフティクラウドが有利のようですね。でも同じサービスでCPU/メモリが異なってもほぼ値が変わらないのが不思議です(計測ミス?)・・・。

UnixBenchによるベンチマーク測定

UnixBench

サーバのベンチマークを総合的に測るツール(こちらはマルチコアCPUにも対応) http://code.google.com/p/byte-unixbench/
※ちなみにベンチマークを一回取るのに40?60分くらいかかりますのでゆっくり待ちます。

$ wget http://www.hermit.org/Linux/Benchmarking/unixbench-5.1.2.tar.gz
$ tar zxvf unixbench-5.1.2.tar.gz
$ cd unixbench-5.1.2
$ vi Makefile
=====================
# GRAPHIC_TESTS(コメントアウト)
# GL_LIBS(コメントアウト)
=====================
$ make
$ ./Run

結果

それぞれベンチマーク結果を表とグラフにしてみました。パラメータの意味はそれぞれ下記の表の通りですが基本的に数値が高いほど高評価となります。今回はとにかく最後の「System Benchmarks Index Score」を測定値とします。

パラメータ名意味
Dhrystone 2 using register variables 2つのレジスタを使用した整数・文字列演算
Double-Precision Whetstone 倍精度浮動小数点演算
Execl Throughput exec関数実行処理
File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks ファイルコピー(バッファサイズ 1024バイト)
File Copy 256 bufsize 500 maxblocks ファイルコピー(バッファサイズ 256バイト)
File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks ファイルコピー(バッファサイズ 4096バイト)
Pipe Throughput pipe処理
Pipe-based Context Switching pipeベースでのコンテキストスイッチング
Process Creation プロセス生成
Shell Scripts (1 concurrent) シェルスクリプト実行(単一)
Shell Scripts (8 concurrent) シェルスクリプト実行(8個並列)
System Call Overhead システムコール
System Benchmarks Index Score トータル

AWS-microインスタンス VS NIFTY-miniサーバー

AWS-microインスタンス VS NIFTY-miniサーバー 比較表

ほぼ同スペックであるはずの AWS-microインスタンス VS NIFTY-miniサーバー において驚きの約6倍差!

AWS-smallインスタンス VS NIFTY-smallサーバー

AWS-smallインスタンス VS NIFTY-smallサーバー 比較表

メモリの多いAWSとクロック数の高いニフティクラウドの場合でも約6倍程度の差が・・・。

AWS-mediumインスタンス VS NIFTY-smallサーバー

AWS-mediumインスタンス VS NIFTY-smallサーバー 比較表

アーキテクチャが32bitの場合はAWS側で利用出来るインスタンスタイプが「HighCPU-Medium」まででした。ここでようやく演算系の一部でAWSがニフティクラウドを超えます。

まとめ

こうしてベンチマーク計測値だけでみるとニフィティクラウドの性能の高さが伺えます。実は最初にコスト計算した段階で「この金額差で勝負になるのか?」と思わない事も無かったのですがこれなら納得です。実際の運用においてこのベンチマーク測定値の差が構成設計などにそのまま役立つかは疑問ですが用途によって各々使いどころが異なる、とも思える数値でした。

実際のところ、費用面・機能面で比べるとAWSはIaaS業界でずば抜けていると言って過言ではないでしょう。ただベンチマークをとるとニフティクラウドのサーバーの特徴が見えてきました。CPUやディスクI/O性能を考慮するとニフティクラウドについても利用用途によっては十分に選択する余地はありそうです。今後の機能拡張にも期待したいと思います。